- 部下とのコミュニケーションの取り方
- 部下が抱えている本音の聞き出し方
- 具体的な対話方法
こんな人にオススメの本です!
- 部下とのコミュニケーションの取り方が分からない。
- 仕事がうまく回らなくて困っている。
- 部下が何を考えているのか分からない。
著者 伊庭 正康 氏
- 1991年リクルートグループ入社
- 営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服
- プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40回以上
- その後、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、(株)らしさラボを設立
- 年間200回を超えるの営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。
本書は、リーダーとして必要な能力、部下の意見に耳を傾けて、部下の本音の部分を聞き出し、解決に導くテクニックが分かりやすく書かれています。
すべてのリーダーに読んでもらいたい本です。
部下が上司にして欲しいところもしっかり把握していて、さすがだと感じました。
この記事では紹介できない会話例が多く掲載されており、すぐに実践できる内容になっているので、とても参考になりました。
理系大学院卒
読書大好き年間100冊読む
サラリーマン歴15年の筆者が、
ポイントを絞って、5分で読める
解説をします。
【5分要約】
「できるリーダーは、「これ」しかやらない[聞き方・話し方編]」
本書の構成
第1章 強いリーダーから「聞いてくれるリーダー」へ─理想の上司像は大きく変わった
第2章 誰からでも30分間「話を聞き続ける」テクニック
第3章 対話をスムーズに進める「魔法の声がけ術」
第4章 「やる気のない部下」をストレッチする質問
第5章 「要領の悪い部下」に効く質問
第6章 部下の悩みの9割は、「聞く」だけで解決する
第7章 1on1を「最高の気づきの場」にするテクニック
第8章 〝上手なダメ出し〟で納得してもらう「フィードバック」の技術
サラリーマン歴15年の筆者が、サラリーマン目線でポイントを絞って、5分で読める解説をします。
求められているリーダーとは
10年前との変化
2021年に調査された結果では、
1位が「一人ひとりに対して丁寧に指導する」
2位が「相手の意見や考え方に耳を傾けること」でした。
一方で、
- 「厳しく指導すること」
- 「仕事に情熱を持って取り組む」
- 「周囲を引っ張るリーダー」については、ポイントが下がっています。
一人ひとりに耳を傾ける
大事なことは、「対話」することです。9割の上司は正しい「対話」が出来ていません。
ドン・キホーテ流のマネジメントのバイブルにある内容として
- 上司は「威張るな」
- 部下の話しを途中で遮らない
- 部下の想いを常に真剣に受け止める
- 少なくとも最後まで話しを聞き、理解をしようとする努力を怠らない
というものがあります。
どう考えているかを「教えてもらう」スタイルことが対話です。
ぬるいのもダメ
上司としては、「厳しくしてはいけない」という認識から、結果的に部下と距離とって関与をしないようになることで
「ぬるい職場」になってしまいます。
そんな状況に、若者たちは「成長できない」と感じて、離職率が上がっているということです。
話しを聞くテクニック
沈黙を恐れない
沈黙が多い部下に対しては、「答えるべきことを整理している時間」と理解してあげてください。
沈黙が多くて、お互いにストレスになる時は、次の方法が効果的です。
- いったん、沈黙のまま待つ
- 相手が答えに困っているようなら、質問の仕方が悪かったと詫びる
- その上で具体的な質問に切り替える
プライベートはことを聞くための方法
実は、上司より部下の方が「プライベートの会話は重要」だと考えていることが、調査の結果明らかになっています。
でもいきなり聞いても教えてもらうのは難しいですよね。
コツとしては、まずは「休日・休暇」の話題から入ると、自然な流れで聞くことが出来ます。
「キラーパス・クエスチョン」と呼んでいます。
会話例
最近暖かくなってきたね
ほんと、そうですよね
週末は、何かしているの?
実はキャンプにハマってまして
このような会話から、自然な流れで、趣味の話しなど、仕事以外の話しにつなげることができます。
③本音を引き出す「3つのD」
質問には、「限定質問」と「拡大質問」があります。
- 単語で手短に回答できる質問
- YES、NOで回答できる
- 答えが一つしかない
- 考えや背景を自由に「文章」で語ってもらう質問
- 3つのD「どうして?」「どんな?」「どのように?」を使い、本心を聞き出す
部下の主体性が低いのは、部下のせいではなく、上司の問いかけに問題があります。
3つのDで部下はおのずと話し出します。
クッション言葉
クッション言葉を使うことで、印象がだいぶ変わります。
- 差し支えなければ
- 不勉強なので
- あえて(ぜひ)
- そうだとしても
部下に圧を感じさせないために有効な方法です。
部下への声かけ・質問術
話しが長い部下
ダラダラと話しが長い部下に対してイライラしてしまい、それが相手に伝わってしまうこともあります。
そんな時は、「サマライズ・クエスチョン」が効果絶大です。
「・・・ということは、◯○ということですか?」といったように、要約することです。
これは、話しを途中で遮るのではなく、相手の話が一瞬途切れたタイミングがベストです。
すぐに答えを欲しがる部下
基本的には、「自分には答えがあるけど、必ずしも答えではないから、あなたの意見を聞かせて」という姿勢をとる。
ただし、経験不足、知識不足の部下などの「質問に答えられない人」もいることも認める必要があります。
上司には、色々な人を受け入れる多様性が必要です。
やりたいことがない部下
「やりたいことが分からない」状態の部下の方が多いのは当たり前です。
そんな部下のやりたいことを引き出す方法があります。
・「例えば、将来はこんな生活をしたいとはある?」「いずれこんな役割を担いたいとかはある?」など
・分からないでもOK
・分からないでもOK
・これなら、誰でも答えが出せる。
・この中で「ベスト1」を選んでもらう。
これで、本人すら気づかなかった「やりたいこと」を引き出しましょう。
いつも残業する部下へ
部下にかける言葉として
「残業を前提に仕事をしていない?」
「仕事を終える時間を決めない?」
と声がけして、残業習慣を断ち切ってあげましょう。
部下の悩みのほとんどは聞くだけで解決できる
解決する理由
人は話しを聞いてもらうだけでドーパミンが出るという研究結果があります。
「アドバイス」はむしろ嫌がられます。
上司のアドバイスは、部下にとっては指示に近いものだからです。
まずは
「いったん、聞くだけの方がいいか、この場で解決策を見つけた方がいいかな?」
と聞くのが良いです。
適当さも必要
聞き上手のポイントとして
- 共感的理解
相手の気持ちに立つ - 無条件の肯定的関心
自分の価値観で判断しない - 自己一致
部下の話しが理解できない時、理解しているふりをしない。分からない時は確認を入れる。
1on1ミーティング
効果
リモートワーク、時差出勤の導入で、職場でのコミュニケーション不足が大きな課題になっています。
上司と部下が1on1の対話を行うことで、部下のコンディションの把握や、本音で話せる関係性を築くことができます。
ステップ
適切なステップで行わないとただの「雑談」で終わってしまいます。
軽い質問で部下の緊張を解く
現在の体調を点数式で聞くと、点数の変化に気づける
事実を具体的に褒める
部下が気になっていることを上司が聞く(聞くに徹する)
フィードバックの技術
重要性
フィードバックとは、仕事の評価などを上司から部下に直接伝えることです。
正しいフィードバックができないと、部下のパフォーマンスを引き出すことができない。
フィードバックを行なっている職場は、従業員の働き心地が良くなるという調査結果も出ています。
自分で考えさせる
ィードバックのプロセスにおいて特に大事なのは「納得作り」です。
まずは部下の想いをひたすら聞いた上で「気づきを与える質問」に切り替えます。
上司「今から思うと、何をすべきだったんだろう」
部下「早く相談すべきでした」
上司「うまくできていたとしたら、どんなことができただろう」
部下「教えてもらうこともできたと思います」
まずは聞き役に徹することで、相手の怒りを取り除きます。
新たな観点から質問することで、部下の思い込みを壊していく。
まとめ
本書はリーダーとして必要な能力、部下の意見に耳を傾けて、部下の本音の部分を聞き出し、解決に導くテクニックが分かりやすく書かれています。
要約では紹介できない会話例が多くありますので、ぜひ手にとって一読ください。
asutaroでした。